トウシューズについて

バレエといえばトウシューズ。
バレリーナがトウシューズで軽やかにまるで羽根のある妖精のように
美しく優雅に踊っている場面を想像して、
「自分も早くトウシューズを履いて、
あんなふうに優雅に踊りたい」と思う方は多いでしょう。

しかし、バレエを習い始めてすぐにトウシューズを履けるわけでなく、
トウシューズを履くためには、
まずはバレエシューズで基礎訓練をしっかりと重ねることが必要不可欠です。

柔らかいバレエシューズとは異なり、
トウシューズはつま先の部分とソールの部分が固くなっています。

トウシューズで立つということは、
つま先で全体重を支えることなります。

成長段階にある子供のうちは骨が柔らかいため、
足への負担を考えると、トウシューズを履くことにどうしても慎重になります。

バレエ歴が浅く筋力がまだまだ弱かったり、
アンディオールが不十分だったり、
足底が鍛えられていない、膝がしっかり伸びていない、
身体の引き上げが出来ていない等、
訓練が十分でない状態でトウシューズを履くと、
将来的に脚・足が変形してしまったり、
怪我をしやすくなったりといったことが起こる可能性があります。

トウシューズを履くためには、バレエの基礎訓練をしっかり積んで、
正しい筋肉を付け、足が十分に強くなり、
なおかつバレエで最も大切なアンディオールが出来て、
ようやくトウシューズを履くことが出来ます。

「何歳になったらトウシューズを履けますか?」
という質問をよく耳にしますが、成長の度合いは人それぞれですし、
今までにどのくらいレッスンをしてきているか、
筋力がどれだけ強くなっているかによっても変わってきます。
よって、一概に「何歳になったら」とは言えません。
生徒ひとりひとりトウシューズを履けるようになる
タイミングは違います。
そこは本人のために特に慎重に見極めるべきところだと考えています。

トウシューズを履けるようになることをひとつの目標に、
まずはバレエシューズでしっかり踊れるようになる事、
焦らずにじっくりと訓練を重ねる事がとても大切です。

そして、ある程度の年齢に達し、
バレエの基礎が徐々に身に付いてきて、
筋力が強くなってきたら、トウシューズを履いて
まずはバーを持ってつま先で真っ直ぐに正しく立つことからスタートします。

トウシューズを履くとさらに身体を引き上げることが大切になってきます。

始めのうちはバーでの練習を繰り返し、
足がトウシューズに慣れて、正しく立てるようになってきたら、
徐々にバーを離れセンターでの練習に挑戦していきます。